大会テーマについて
 

大会テーマ 「ひろがれ!わたしと世界をつなぐ図工」

研究推進局


◎はじめに

 2020年より完全実施となる新学習指導要領において、新しい価値をつくりだし、未来社会を切り拓くための資質・能力の育成が求められ、そのために主体的・対話的で深い学びをさらに推進していくことが示された。
 図画工作科は児童の思いを大切にすることで、新たな価値を作り出す学習のあり方を研究し、実践してきた教科である。一人一人がこの教科が培ってきたことや、その価値を自覚し、今の子供たちとこれからの時代に向き合い、研究を進めていきたい。


◎今大会のテーマについて


 今大会のテーマは「ひろがれ!わたしと世界をつなぐ図工」である。
 「わたしと世界をつなぐ図工」は子供たちが夢中になって活動する中で様々なことに気付いたりしながら「自分の世界」を深め、広げていき、「学校」「他教科」「他校種」「家庭」「生活体験」「地域社会」「社会」など「外の世界」へとつながっていく過程を示している。

 子供の発想や構想を見ていくと、低学年では「先生、これつくりたい!」と自分が楽しくつくりたいものを思いついたり、考えたりして表現している。学年を重ねるごとに考えられることの幅は広がっていき、中学年では「この材料をつかうなら、こんなことをやってみたいな」「こんな風につかえるものをつくりたい」など、自分のイメージに合わせた表現を思いついたり、実際につかったりすることを考えてつくることができるようになり、高学年では芽生え始めた自我に合わせて、自分の過去の経験や思いと向き合い、「家族で行って感動
した砂浜の感じをつくりたい」「ゴールを決めた時の感動を表したい」「大好きな音楽の楽しさを伝えたい」など具体的なイメージを持ち、作品をつくっていく。
 また、子供は普段の生活で触れたり、考えたりする機会の少ない素材やテーマと出会うことで、今まで気付いていなかった自分の感覚や感性と新たに繋がっていくこともある。このようにして子どもは自分の感覚や自分に関わるものやこと、気付いていなかった自分自身のことなどとつながり、「自分の世界」を深めていく。
 児童の作品には、学習で深まった子供の「世界」が表出する。一人として同じ作品はない。そして図画工作の授業には決まった正答はない。正答がないからこそ、新たな価値、つまり児童の内面的な世界を認めることができ、価値観を広げていくことができる。「○○くんの色がとてもきれいだよ。」「先生、○○くん、すごいよ。こんな仕掛けがあるよ。」「○○さんの作品、とても大きくて迫力があるよ。」こんな呟きをしながら、子供はお互いのよさを見つけ、価値を認め合い、認識できる価値の幅を広げていく。新たな価値観を獲得することで様々なものの見方ができるようになり、「自分の世界」が広がっていく。図工の授業を通じて深まり、広がった子供の世界は「学校」「他教科」「他校種」「家庭」「生活体験」「地域社会」「社会」など様々な世界につながっていく。

 「ひろがれ!」の言葉には2つの意味が込められている。まず一つ目は、今回の研究や我々の日々の実践を通じて、子供達の世界を広げていくという意味である。もう一つは、この図画工作科という教育活動は自信をもって広めることのできる価値あるものであり、社会のあらゆるところに広げていこうという思いを込めている。

 これが今回のテーマである「わたしと世界がつながる図工」の意味である。このテーマを基に子供の世界をどのように深め、広げていき、どんな世界とつながれるようにしていくのか、その手立てを研究していきたい。